私の考えと、人吉市長としてやろうと思っていること

◆高齢者と子育て世代、非正規雇用者への支援

 水害、コロナ、円安、ウクライナ戦争で、電気代、ガソリン代、食料品等とあらゆるものが高騰し、年金生活者や子育て世代、非正規雇用の皆さんたちの生活を苦しめています。これらの方々をしっかりと支えさせていただきます。
 年金者には国民健康保険、介護保険を減税して負担を少しでも軽減します。また、子育て世代には、高校生まで医療費の無料化や様々な子育て支援を実施して、生活に安心を届けます。
 さて、人吉の人口は、現在3万200人となりました。今年中に、人口は3万人を切るでしょう。少子高齢人口減少社会に歯止めをかけなければなりません。そのための地域ビジョンを明確にしてまいります。

◆川辺川穴あき治水ダムについて
 蒲島郁夫熊本県知事は、球磨川の支流である川辺川に穴あき治水ダムを作り、命と環境を守るといわれますが、この二つが守れないことは、日本をはじめ、世界中のダムの歴史が証明しています。ダムは、想定された雨量には有効ですが、想定外の雨量には対応できず、かえって危険です。気候変動で、いつ、どこに、どれくらいの雨が降るかも予測がつかない時代になりました。もし、球磨川上流の市房ダムと川辺川穴あき治水ダムが、同時に緊急放流されたら、先の水害の倍は覚悟しなければなりません。ダム湖に水を貯めて河道に流す時代は、すでに破綻しているのです。
 さらに、穴あき治水ダムは、ダムの底部に穴が開いている構造で、上流の堆積物を下流に絶えず流し、川辺川や球磨川は濁った川になってしまいます。濁った川を観に観光客は来ません。濁った川で川下りやラフティングはしてくれません。濁った川の鮎も食べてくれません。球磨焼酎は、球磨川水系の伏流水を活用しています。清流球磨川を失えば、その恩恵にあずかることができなくなり、人吉は急速に寂れることでしょう。これらの理由で、川辺川穴あき治水ダムには反対します。
 しかし、国や県や学者は、川辺川穴あき治水ダムを造れば、人吉の水害は6割軽減できると言います。それでは、その根拠を詳細に説明してください。先の水害で亡くなられた方々は、人吉市では20名に上ります。そのうちの18名は支流氾濫によるものでした。川辺川下流の球磨川本川氾濫で亡くなられた方は2名でした。市民の命を守るためにはダムより支流の治山治水対策を、できることから実施すべきです。

◆命を守る防災安全度
 先の水害では、被害がすでにはじまった午前5時15分に避難指示が出されました。なぜ人吉市は、災害発生前日の午後4時までに、避難勧告を出さなかったのでしょうか。
 一人でも助かった命があったはずです。私は、これまでに、前日の午後4時までには、避難勧告を出してきました。市はしっかりと反省し、市民に避難勧告、指示の遅れを真摯に謝罪すべきです。この態度が、いまだに見えません。
 これを教訓に、治水安全度から、まず前日避難を中心とした命を守る防災安全度を高めることが重要です。うわべだけの知識ではなく、本気で、各地の災害事例に学び、命だけは何としても救うという気概が、市長には求められます。



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